交渉による示談が決裂した場合
示談交渉がまとまらなかった場合でも諦める必要は無く、まだ他にも要求を実現する道があります。
次の手段としては、交通事故の紛争処理を行う「財団法人交通事故紛争処理センター」か「財団法人日弁連交通事故相談センター相談所」を活用して、和解(示談)のあっせんをしてもらいます。
「あっせん」がまとまらない場合は、その上に複数の専門家で構成される「審査」という機関があり、この審査の結果には被害者は不服なら従わなくても良いですが、損害保険会社(共済)は従わなければならないことになっています。
では、この2つのセンターのうち、どちらを選んだら良いか?ですが、これは「審査」の強制力の及ぶ範囲に違いがあることから、相手方の保険(共済)の種類によって使い分けます。
◆財団法人交通事故紛争処理センターの審査の強制力が通用する対象2.JA(農業協同組合)の自動車共済
3.全労災(全国労働者共済協同組合連合会)のマイカー共済
◆財団法人日弁連交通事故相談センター相談所の審査の強制力が通用する対象
2.教職員共済生協の自動車共済
3.JAの自動車共済
4.自治協会・町村生協の自動車共済
5.都市生協の自動車共済
6.市有物件共済会の自動車共済
*損害保険会社は対象外です。
2つのセンター共に言えることですが、被害者の味方をする為の機関ではなく、あくまでも中立な立場でのあっせんをする機関なので、センターを利用すれば何とかしてくれるだろうという他力本願の姿勢ですと望んでいる結果を得られない可能性があります。
こちらの要求を納得してもらえるだけの客観的な資料や書類を戦略的にいかに用意出来るかが、カギを握ります。出来れば専門家に一度は目を通してもらうと良いと思います。
さて、ここまでやっても、妥協点が見いだせない場合は、最後の手段として裁判所のお世話になるしかありません。
裁判所では、「調停」か「裁判(訴訟)」かを選択出来ます。
一般的には、話し合いの余地が残っているようであれば「調停」を、全く話にならない場合は「裁判」をしますが、率直なところ、調停をする調停委員が交通事故に詳しくない場合が少なくなく、センターの審査で決着がつかない場合は、最初から裁判にした方が早い場合が多いです。
なお、損害賠償請求の金額によって、利用する裁判所は違ってきます。
請求金額が140万円以上の場合は地方裁判所、140万円未満の場合は簡易裁判所になり、更に60万円未満であれば1日で裁判が終わる「少額訴訟手続」というものがあります。
裁判というと、凄く大袈裟に聞こえて、とても自分の手には負えないとお考えになるかもしれませんが、手続きの方法等は裁判所で聞けば丁寧に教えてくれますので、複雑な案件でなければ十分ご自身だけでも出来ます。
特に、請求金額がそれ程大きくない場合には、弁護士を使えば費用倒れになる可能性がありますので、「本人訴訟」を視野に入れる必要があります。

