示談をする時の注意点
示談交渉をする場合に、頭に入れておきたい最低限の注意点がありますので、下記ご留意下さい。
ケガの回復が思わしくなくて、後遺障害が残る可能性がある場合は特に、示談の条件に後遺障害を含むかどうかを明確にしておく必要があります。
つまり、将来的な可能性を含めた全損害を把握した上での示談であるかどうか、ということです。
仮に、後遺障害を含まず、現症のみを対象にして示談をする場合は、「将来、後遺障害が発生した場合は別途協議する」旨の文言を記載するようにした方が無難です。
◆示談当事者の行為能力について
示談の相手が、未成年者や被後見人の場合は、法律上の行為能力者ではありませんので、示談の締結は出来ません(示談をしても、無効であるとして取り消される可能性があります)。
この場合は、相手方の親権者や後見人と示談をする必要があります。 なお、未成年の親権者と示談を締結する場合は、親権者全て(通常は父母の両方)の記名捺印が必要ですのでご注意下さい。
◆時効の問題
治療が長引いている時は、時効の問題に注意する必要があります。
被害者側からの損害賠償請求権は、事故日から起算して3年で時効になります。
また、自賠責保険の保険金請求権は、原則として事故の翌日から2年で時効になります。ただし、後遺障害がある場合は症状固定日(継続加療しても症状改善の見込みがないと診断された日)の翌日、死亡については死亡日の翌日が起算日となります。
時効を中断させる為には、保険会社所定の書類で申し出る方法や、内容証明郵便によって催告を行う方法等があります(内容証明で行う場合は、書面が加害者側に到達した日から6ヶ月以内に裁判上の手続きを行わなければ、請求日に遡って時効中断の効力が無くなってしまうので、ご注意下さい)。
◆示談書に執行力(強制力)を付ける
通常の示談書は、私文書ですから相手が約束を守らなかった場合に、直ちに相手方の財産を差し押さえて競売をするようなことは出来ません。
この場合は、示談書を証拠書類として裁判を起こして、判決(和解調書や調停証書でも可)を貰ってからでないと、相手方の財産を差し押さえて競売にかけることは出来ません。
しかし、示談書を「公正証書」にすることによって、約束が守られない場合は、裁判をせずに、直ちに相手方の財産を競売することが出来る執行力を持つことになります。
特に相手が、任意保険に加入していない場合は、リスクが大きくなりますので、公正証書による示談書にしておくと手間が省けて安心です。当事務所では公正証書による示談書作成のサポートも行っておりますので、お気軽にご相談下さい。

