保険と損害賠償金等の関係
交通事故に関連する主な保険として以下のものがあります。
1.自賠責保険(強制保険)
自賠責保険の特徴として、被害者に多少の過失があっても過失相殺をしないことが原則となっています。
(ただし、被害者の過失が6割を超える場合は割合に応じて減額されます)
自賠責保険から支払われる保険金の上限額は、傷害による損害が被害者一人につき120万円、死亡による損害が被害者一人につき3,000万円、後遺障害による損害は被害者一人につき4,000万円(内容は逸失利益と慰謝料等)です。
ここで注意すべき点として、任意保険は自賠責保険の金額を超えた分について支払われますが、任意保険会社は、支払額を自賠責保険の範囲内で収めて、自らの懐は全く痛めないという手法を取る場合がありますので知っておかれると良いでしょう。
なお、自賠責保険は示談がまとまる前であっても、被害者側から請求することが出来ます(示談前の自賠責保険金の請求)。中には、被害者が生活費や治療費で困窮しているのを見越して「示談を成立させないと保険金は下りない」と言って、加害者側に有利な条件で示談を成立させようとする場合がありますので、十分ご注意下さい。
2.政府保障事業
しかし、政府保障事業では、支払が行われるまでに時間がかかることと、自賠責と違い過失相殺を厳格に行う為、支払い条件は厳しいという面があります。
3.任意保険
a.対人賠償保険・・・人身事故が対象で、自賠責保険を超える損害に対して支払われますので、「上積み保険」とも呼ばれます。
b.対物賠償保険・・・相手の車や家、塀等の物損が対象ですが、自分の車の損害は対象外となります。
c.車両保険・・・自分の車の損害が対象で、盗難・火災・電柱等に突っ込んでしまった場合の自爆事故も対象になります。
d.搭乗者傷害保険・・・保険に加入している車に乗っていた人が対象で、過失に関係なく支払われます。
e.ドライバー保険・・・運転をする人に対してつける保険ですので、どの車を運転しても適用されます。
f.自家用自動車保険・・・対人、対物、自損事故、無保険車傷害、搭乗者傷害がセットで、示談代行も行います。
4.労災保険
被害者は保険会社や加害者からダブッてお金を受け取ることは出来ないのが原則です。
そのため、労災保険の療養補償(治療費)や休業補償は重ねては受け取れません。
しかし、労災保険の中でも、傷害補償(年金)と遺族補償(年金)に関しては、過去の判例で自賠責や任意保険とは別に受け取っても良いというものがあります。議論のある点でありますので、今後は扱いが変わる可能性があります。
5.健康保険
病院側しては、健康保険を使われてしまうと使用しない場合の自由診療と比べて利益が半減してしまうことと、健保組合への請求が面倒等の理由で拒否する場合があるのですが、被害者が健康保険を使用したいと申し出た場合は使用出来ることになっています。
特に被害者側の過失割合が大きい場合は、健康保険を使用すべきです。
6.生命保険・傷害保険

